感染症対策にもウイットとユーモアを
店内の感染症対策はお済みですか?
飛沫防止シートやアクリル板が室内を殺風景にしているなら、シートにイラストやメッセージを描きましょう。
ウイットで楽しませる
新型コロナ対策を「笑顔」で乗り切ります。
従業員、お客様から一つでも多くの「笑顔」が生まれる対策を実施しましょう。
飛沫防止のビニールシートやアクリル板にメッセージやイラストを描けばPOPなアートになります。
店頭でお客様も巻き込んでシートにメッセージを描き込むパフォーマンスイベントをやるのも楽しい。
イラストが得意じゃない方には、アクションペイントをおすすめします。
飛沫防止シートがアートになって、お子さまたちも大喜びのイベントになります。
ユーモアで笑わせる
大声でにぎやかなお客さまには、面白「イエローカード」を渡して、くすっとさせましょう。
入店時にイエローカードがあることを予告します。
「イエローカードが出ると退場お願いすることもありますのでよろしくお願いします」と協力に同意していただきます。
大声大笑いしているグループが出現。
審判のコスチュームを身にまとった店長がホイッスルを吹いてイエローカードを渡します。
審判登場でさらに盛り上がっちゃうかもしれません。
サッカーボールまで手にしてなりきりましょう。
そして、「ご協力お願いします!」と笑顔で元気に面白「イエローカード」渡します。
他のお客様にも聴こえる大きな声で。
それでも、続くようなら、審判が再び走る。
カードには「イエローカード」が3枚溜まったら退場と明記。
本当に騒ぎが収まらないようなら退場もやむ負えない。
毅然とした行動が他のお客さまの信頼信用に繋がります。
お客様の特性によって、対応は変わります。
いくつかのパターンを用意します。
ユーモアとウイットに富んだ食文化を作りましょう。
食文化は育ちがたく壊れやすい
食文化は、その国の人の暮らしそのものです。
生活と密接に結びつき、土台にもなっています。
食文化を理解することは、その国を理解することにも繋がります。
毎日の食事が、戦争のない平和な毎日の中でコツコツと積み重なり、国や地域の文化になります。
文化に走ると国が傾くという歴史もあります。
「論語と算盤」に経済も文化も発展した中国の宋王朝が滅亡した史実が紹介されています。
学者たちが社会正義の道徳にとらわれ、政治家は覇権争い、宮中は贅沢ざんまい、国民はなまけます。
国が傾けば、文化が破壊されるのは一瞬です。
「さらば、わが愛 覇王別姫」では、一つの国の文化が一瞬に、それも自分たちの手で壊される姿が描かれます。
中国の大衆から生まれた古典演劇「京劇」をモチーフにした役者たちの生き様が圧巻です。
カンヌのパルム・ドールを受賞。
今も、全国各地の名画座で再上映される名作です。
文化とは何か?
食文化の使命にまで思いが巡ります。
社会正義の道徳ばかりでも国を亡ぼしてしまう。
自分さえよければいいと個人の利益ばかりを求めても国が機能しなくなる。
渋沢栄一は、「論語と算盤」の中でバランスが重要だと説いています。
食文化が重要になってくるわけ
- 海外旅行が難しい環境が続いています。
- 異国料理の食事は、小さな旅の気分も味わえます。
- 海外で修行してきた料理人も増えました。
- 食べ物が体を作ります。
- とこで食べたかで心が養われます。
渋沢栄一が設立に関わった「帝国ホテル」。
メインダイニングのレ セゾン Le Salonの 第14代 東京料理長は、杉本 雄氏。
杉本さんも13年間欧州で料理を学んでいます。
本場の外国料理を提供する専門店は、海外体験のあるお客様に応援されてきました。
例えば、イタリア料理店の有料のミネラルウオーター。
アックア ガッサータ? ナテュラーレ?
発泡性の天然水かガスなしか?
本場に来たかと錯覚させてくれる再現性が高い本物志向の店ほど海外の記憶を追体験させてくれます。
- 韓国の焼肉料理
- 香港の点心
- 南イタリアと北イタリア、イタリア各地の食文化
- テックスメックス、ケイジャン、ベトナム、台湾、インド料理などなど
世界の料理を都心でも味わえるようになりました。
価格競争に巻き込まれない心得
都心の料理店は、分母が大きい。
そのため「食文化」をお客様と育てていきやすい環境にあります。
地方都市の食文化は、待ちの営業では、食文化の先細りが起きます。
一人の人間が受信できる情報量は限られています。
資本力があり、価格競争にさらされている企業は、存亡をかけて、情報を発信します。
LINE、Facebook、メルマガ、ダイレクトメール、電話、手紙、ポスティング。
戦略を練り、計画的に情報を発信します。
機能だけで選ばれてきた飲食店は、価格競争にさらされます。
同じ土俵に乗っては、勝ち目はありません。
1か月、あるいは、半年、利益度外視であなたのお店に行くはずだったお客様を価格やトレンドの商品で釣ります。
利益は、あなたのお店が潰れてから回収すればいい。
兵糧攻め。
古典的な手法です。
戦に備えねば。
食文化を育てる具体的手法
おすすめはセールスじゃない
おすすめ商品を客単価や売上を上げるための商品だと勘違いしているスタッフがほとんどです。
店長どころか経営者まで勘違いしている場合も多い。
おすすめ商品は、お客様を喜ばせる商品です。
喜ばせる自信が無い商品は、そもそも、おすすめにしてはいけません。
これまで、全国に普及したおすすめ商品を確認します
- パルメザンチーズをまるごとテーブルにドン置くリゾット
- 焼いたトロトロのチーズをステーキに掛ける
- 刺身の点数が5点なのに8点つけてしまう刺し盛合せ
- 掛け声とともに溢れるまでイクラを乗せるイクラ丼
- 少量ずつ10種類くらい乗ったデザート盛合せ
お客様をびっくりさせたり、驚かせたり。
つい、つい、話題にしてしまうおすすめ品でした。
さて、全国区になるほどのおすすめ品を開発するのは毎回毎回は無理です。
お客様もよきに計らえの王様の余興ではないですから、そこまでは期待していません。
お客様が期待しているのは
スタッフが自分のためにすすめてくれた心遣いです。
半年ぶりに実家に帰ったとします。
お母さんが娘、息子のために好物を作って待っててくれた。
その気持ちです。
好物を作ってくれたんだけど、今日は食べる気がしない。
お母さんはがっかりするかもしれません。
けれど、違う料理を食べたいと言うと早速作ってくれる。
その心遣いです。
おすすめは、お客様への心遣い。
売上や単価アップは、結果として付いてくる結果です。
この順番が逆になるとこんなことが起こります。
- 食べたこともない(試食していない)のにおすすめする
- おすすめを作らなきゃならないからとりあえず決めた
- お客さんにおすすめするのをうっかり忘れてしまった
心当たりのある方は、考え方を一新しましょう。
効用
「お客さんを喜ばせるためにおすすめする」点が出発点になれば、おすすめ商品という枠が無くてもグランドメニューから、そのお客様が喜ぶおすすめ商品を選び出す能力が発達します。
喜ばせるアイディアも浮かびます。
情報触覚の感度が良くなっていくからです。
クーポン
クーポンは、集客の販促ツールではありません。
クーポンが販促ツールと言えるのは、マーケティングの学問をやっている人やホットペッパーの人です。
お店の人にとって、クーポンは、お客さんを久しぶりに訪ねる時に選んだ営業マンのお土産です。
酒に酔ったお父さんが子供のために買ってくるお土産です。
お父さんが寝ている息子を叩き起こして食べさせたいという、ある意味、迷惑だけど嬉しい寿司折や焼鳥屋の新子焼きです。
友人の家に遊びに行く時にちょっとしたお土産を持って行くと喜ばれます。
持っていく方も友人の笑顔やびっくりする顔を想像してニヤニヤしたりします。
その気持ちが嬉しいじゃないですか。
その気持ちがクーポンです。
せっかくいらっしゃるんですから、いらっしゃたら、こんなお料理やお飲み物をご用意していますよ、という気持ちです。
「お得」ではなくて、「嬉しい」」を作らなければ「食文化」とは真逆の価格競争に巻き込まれます。
同じ特典なのに気持ちが違うと表現が変わります。
お得だと「1000円割引」
喜ばせるなら「お車代1000円」のお心付けです。
心付けは、よくしてくれた人に小さなご祝儀袋とかに入れてぎゅっと手に握らせるお金です。
本来は、サービスに対するありがとうですが来てくれてありがとうだっていい。
ありがとうの1000円は、「食文化」ですが1000円「割引」は「システム」です。
飲食店を機能装置にしてしまった店は、価格競争で戦うしかない。
「食文化」はその料理の歴史や調理法ばかりではありません。
昔から、人が大事にしてきたお客さまと店員の心のゆき交う関係です。
高度経済成長時代には侍がいた
1970年代。
植木等が「サラリーマンは気楽な商売」と歌っている頃は、まだ、ビジネス界に侍がいました。
家庭もかえりみずひたすら仕事に体を張るサムライ会社員。
植木等が演じた「無責任男」は、そうした会社員たちへのエールでした。
彼らは、接待や商取引の場に飲食店を選び、女将さんや女給たちにわがままは言いました。
しかし、心付けは忘れなかった。
ぎゅっと手にチップを握らせる。
人の心を掴むのがうまかった。
お店の親父も絶妙なタイミングでもう1品サービスしたり、勝手に大盛りにしてくれたり。
お店とお客さんのいい関係がありました。
論語と算盤はすべての商人へのエール
2001年(平成13)、クーポン誌が創刊されました。
その雑誌を万引きしたと捕まえたら、「ホットペッパー」だったとネタになるほど生活に馴染んでいきます。
そして、各地にあったタウン誌が廃刊に追い込まれました。
私は、クーポン誌が毎月ページ数を増やすのを見ながら、日本の食文化が画一化していくのを恐れていました。
ある日、ホットペッパーの営業パーソンが次号の表紙を楽しみにして、とニヤニヤしました
その号の表紙はSMAP。
クーポン誌が飲食店の首根っこを掴んだ瞬間でした。
広告宣伝に無頓着でただ美味しい料理を出してあげたいというオーナーシェフが大勢いらっしゃいました。
銀座界隈で働く会社員に親しまれてきた老舗洋食店。
若いお客さんは、先輩が通う老舗を侮り、クーポンを持って、あっちこっちへ出かけます。
ギリギリの採算ベースのお店が潰れていきました。
自店の食文化を育てる店は高級店ばかりです。
北海道日伊協会(日本とイタリアの親善団体)の前会長の奥様に北海道の食文化について、こんなアドバイスをいただいたことがあります。
彼女は、京都から北海道に嫁入りしてきた方でした。
「京都の人間は、お客さんが店を育てる。
だから、不味ければどこがどう不味いか言ってあげる。
北海道の人はそれをしませんね。
嫌だと何も言わずに行かなくなる。
それでは、文化は育ちません。
あなたたちもおきばりやす!」と。
人と人の関係づくりはどんな商売でも同じです。
素敵なことなのに。
つい、目先の利益に走ってしまう。
気づくと地方にあった近所の商店街が廃れてしまった。
自分たちで地域の文化を壊してしまいました。
お客さんがお店を育てる。
お店がお客さんを育てる。
一番難しいことかもしれません。
だから、渋沢栄一は、日本の商人のために「論語と算盤」を残しました。