飲食店パブリックリレーションズ講座 2021年上半期 LTV生涯価値をプランせよ!

飲食業は神代の時代からある生業

飲食業は神代の時代から続く商売です。
神さまの時代で最も有名な飲食の逸話が天岩戸(あまのいわと)神話。
太陽の神様が怒り心頭で岩宿(洞窟)に閉じこもり、世界が真っ暗闇に。
さあ、困った。
全国から神々が集まり、飲めや歌えのどんちゃん騒ぎを始めます。
楽しそうなので、太陽の神様は、ちょっとだけ扉を開けてしまいます。
そこを力持ちの神様が扉をこじ開け、お日様が戻ってきたという日本神話です。

この神話は歴史家によって編纂されました。
PRプランナーは大昔の歴史から、昨日起こった事象までを分析します。
歴史には、人間のサガや業が潜んでいます。
今日起こった小さな出来事は、これから起こる大きな潮流の前触れです。
そして、お客様と共有できる価値を作り続け、飲食店を永続的に発展させていきます。

飲食業を変革する

飲食業には、長い歴史があるだけに変革するのが大変です。
過去の勝者の常識が真理かのように錯覚されます。新しいプレイヤーが台頭。変革せず過去の勝者の法則を鵜呑みにしたままの飲食店が撤退します。
PRプランナーは、幕藩体制の江戸幕府から民主主義の明治維新を起こすくらいの覚悟が必要です。

2021年。
東京オリンピックまでに感染を治める政策、変異ウイルス感染の増加の制御のため、通常営業が困難になっています。
次のステージに向けて今、何をするかが重要です。

今だからこそできるお客様とのリレーションシップ(人間関係)作りをまとめました。

今後も続くお客様の動向

  • 飲食店へ行く機会と行きたいという動機が減る。
  • 一件で完結する。ハシゴ酒が減る。
  • 引き続き国内旅行客やインバウンド需要が低迷する。

PRプランナーの重要準備事項

  • LTVライフタイムバリュー生涯価値を重視した中長期のリレーション計画を想定する。
  • ワンストップで楽しませるふところの深さを準備する。
  • 顧客データーベースをメンテナンスして自己の信用財産を養う。
  • 接客担当や調理技術者といういち担当者の意識から「営業パーソン」に意識改革する。
  • 共有できる自店の食文化を積んでいく
  • オンラインコンテンツで国内海外の潜在客を開拓する。
  • コロナ禍、アフターコロナに対応して業態を開発、又は業態を現状に適応させる

PRとは

パブリックリレーションズの略です。
日本で定着した「広報」を意味する和製英語のPRではありません。
宣伝から接客サービス、営業パーソンのお客様との信頼関係作りに至るまで、人と人の関係づくりの全てを指します。
戦後、GHQが導入した概念とされます。
戦時中の政府や新聞のプロパガンダ(政治扇動)を正し、民主主義を機能させる考え方。
双方向のコミュニケーションによって集合知を育てます。
人と人が交流する飲食業はパブリックリレーションズを具現化した生業です。

飲食店のPRパーソンに求められる行動指針

  • 給与水準が中流以上の企業の同年代の年収以上は稼ぐ覚悟を持つ。
  • 他企業のPRパーソンと交流できる教養を養う。(歴史、芸術、映画、スポーツ、書籍)
  • 旅をして、異文化を吸収する。
  • 一流の人たちと交流する。

年収を中流以上の会社員と同等の給与水準にするのが最も重要な事項です。
PRパーソンの給与を上げることは、飲食店従業員全体の給与を上げることに繋がるからです。
なぜなら、PRパーソンの業務は、全て売上数字や利益数値に直結しています。
全て、成果主義です。
飲食店店長、マネージャーと共に数値責任を担います。

そこで、PRパーソンは給与水準の高い企業のガチで売上確保にコミットメントしている姿勢を伝えていく事になります。
売上に対する意識の標準化が業務にもなります。

PRパーソンの業績が給与に反映される風土がやがて、店長マネージャーの業績の考え方にも反映されます。
また、反映されるように具体的に提案していく事が「リレーションシップ(人間関係)」を生業とするPRプランナーの責務です。
店長、マネージャーは、自分の給与を上げてもらう交渉までできません。
それは、時間的距離的な制約と売上責任への逃げだったりもします。
給与を上げてくれということは、年間売上にガチでコミットメントすることになるからです。
できれば、逃げ道を作っておきたいのが会社員のサガです。

経営者と従業員の矢面に立ち、パブリックなリレーションを育て、組織を活性化していくのがPRパーソンのミッションです。

飲食店のPRプランナーとは

これは、私見です。
PRパーソンは、企業から給与をいただき、お客様と企業の関係づくりを生業とします。
けれど、どちらの味方という存在ではないと思っています。
企業から、収入を得ているのにきれいごとを言うなというお叱りにはこう応えます。
PRパーソンは、この企業が存続しなければ、この世の中が不幸になってしまうかもしれないというほどに企業を信じている人です。
ですから、その企業の最も偉大なPRパーソンは、社長です。

お客様、会社。
どちらの味方でもないが企業を信じられる存在にしていくところが担当弁護士とPRパーソンの大きな違いです。
利権者がお互いの理屈で自分の権利を主張し、相手を打ち負かす弁護士とは戦うテーブルが異なります。

お客様の立場に立ち、是正すべきことは、会社に働きかけ、是正していく。
短期的には、損失があっても、改善改革する。
会社が永続的に発展していく思想哲学を浸透させるのがPRパーソンの役割です。

ですから、PRプランナー同志は、業種が異なってもすぐに打ち解けます。
心のどこかで、お互いが協力して、PRの生業で世の中をより豊かな方向に持っていこうという意識を感じます。

上場企業には、パブリックリレーションズの担当者がいます。
中小企業の飲食店では、PR業務を宣伝広告の担当者が兼務することが多くなります。
すると宣伝とパブリシティが混合して、「これは広告です」のようなニュースになりがちです。
広告も集合知の1つになり得ますがスルーされることが多い。

広告では、生活者と「集合知」を作ることができません。

PRパーソンの発想

PR担当者が宣伝広告を兼務している場合は、頭の切り替えが必要です。

局や新聞社の報道デスクになったつもりで情報を吟味。
必要であれば加工します。
生活者の心を動かす情報になっていなければ、報道デスクは、ボツにします。

情報の加工は、言い方や切り口、見方を変えるという小手先の手法でありません。
全国ニュ―スで他局と視聴率を競う、報道デスクの琴線には触れません。

例えば、新型コロナの影響で食材が余っていたとします。
  • コロナを吹き飛ばせ!余った食材で格安料理!。
  • 生産者を応援するため新メニュー発売します!
  • 地元の健康食材で免疫力を高めよう!

これは、表現を工夫した小手先の宣伝です。

PRプランナーの目的は、お客様と生産者、お店の3者の「集合知」を作り出すことを目標にします。

命題 地元産の余剰食材

  • 生産者とオンラインで「競り市」パーティを開催
  • Lineなどの双方向のアプリを使用
  • 事前申し込み完全予約制
  • オンラインでその場で落札
  • 生産者の熱い思いや情熱を映像で伝える
  • 生産地の畑や牧場や漁港映像で仮想体験していただく
  • 実況動画を編集してYoutube配信
  • 生産者のECサイトに誘導
  • 店舗では落札した食材のフェア

上記のような、展開です。
これは、実績例もなく、成功するかどうかは不確定です。
しかし、一連の動きには、ニュース性があります。
準備から、実施までのMakingもコンテンツになります。
局が報道特集で密着取材してくれことも。
媒体といい関係を作るロービー活動もPRパーソンの仕事です。

余剰食材でフェアをやります、というありきたりのニュースよりは、パブリシティ扱いの可能性が高まります。

投稿者: GrowthSpirits

PRSJ認定PRプランナーのグッチです。 映像制作→広告宣伝→イベント企画→飲食事業の営業企画→放送原稿執筆→レストラン経営→飲食テナントビルとホテルの情報企画→東京、名古屋の飲食店へ放浪→そして、北海道。 冒険は感性磨き。 gucciは私が坊やの頃、山本敏さんが命名してくださいました。 感謝を込めて。

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