米国のハンバーガー文化
菅首相とバイデン大統領の昼食会にハンバーガーがもてなされました。
鳩山元首相が
「外務省の自尊心の欠如も相当だが、夕食会を断られハンバーガー付きの20分の首脳会談では哀れでした。それでもバイデンの最初の首脳会談は日本と自慢するのかな」とツイート。
鳩山由紀夫氏の道徳観のバランスの悪さ。
「論語と算盤」にある武士道の欠如です。
武士道の正義、廉直、義侠、敢為、礼儀
- 正義 真っすぐで公平だと誰もが認める
- 廉直 子供みたいな純真さが好かれる
- 義侠 弱いものを助ける義侠心が感心される
- 敢為 成しとげる強い意志に感服する
- 礼儀 相手を敬う精神があり異性や年長者の友人も多い
鳩山さんには、この精神が感じられない。
何よりもハンバーガーに関わるRelationship「人と人の関係」を何も考えていません。
鳩山さんの自尊心の貴さとハンバーガーを嘲笑う気持ちが伝わってくる。
また、菅首相もハンバーガーに手をつけなかった。
包んでもらって、持ち帰ってくれば良かったのに。
「かたじけない」と、相手の心遣いを受け取るのは武士のたしなみです。
ハンバーガーを侮ったと誤解されかねない。
この日のために
ハンバーガを命懸けで調理した調理人がいたかもしれない。
あるいは、奥様の手作りだったかもしれない。
ファーストレディ、ジル・バイデンがキチンの片隅で泣いていたかもしれない。
失礼です。
食卓に供えられた牛の命に対しても。
「食文化」に対する意識が低すぎます。
これが、日本の「食文化」への価値評価だと飲食業界の私たちは、自戒しなければなりません。
お客様を育てるのも飲食業のミッションです。
ハンバーガーがどれだけ米国人に愛されているか。
次の映像は、1950年代、ダイナースタイルのレストランから、ハンバーガ―レストランに展開したジョニーロケッツの開店映像です。
1986年、出店地はL.A、メルローズアベニュー、ファッショナブルな通りです。
ハンバーガレストランの原型でもあるダイナースタイルも紹介します。
1990年代に日本でも大ヒットしたテレビドラマから。
Beverly Hills, 90210、邦題はビバリーヒルズ青春白書
ハンバーガー一つにも、米国の生活文化が広がっています。
外交とは何か?
貿易や防衛の話をする前にお互いを尊重しあえる関係ができれば、交渉もしやすいでしょう。
米国という人様の家に招かれた菅首相がもてなされた「ハンバーガー」を口にしなかった。
飲食業の敗北です。
飲食店の日々の小さな営みが街で暮らすたくさんの人たちの心をくつろがせます。
人と人が心を触れ合わせる。
飲食店で起こる小さな出来事には、大きな使命があります。
勝利は軍事力ではなく、ストーリーによって決まる
「パブリック・ディプロマシー」広報外交とは、文化交流を通じて、外国の国民や世論に直接働きかける外交活動です。
飲食ビジネスは、文化交流の拠点作りにもなります。
京都外国語大学のパブリック・ディプロマシーの専門家、ナンシー・スノー教授が日本人に欠けている「パブリックリレーションズ」能力を指摘しています。
飲食店の強みになる文化交流の視点にも重なるのでご一読ください↓
一方で、菅首相の政治家としてのカンがハンバーガーに手をつけなかった、ということも考えられます。
米国産牛肉の輸入課題に誘導される可能性もある。
「三十六計逃げるに如かず」
なら、日本にもライスボールという伝統食がある。
逃げ出さず、おふくろの料理を自慢しあうほうがよほどお互いを理解しあえる。
残して帰るのはダメでしょう。
お行儀が悪い。
菅首相も帰国して、奥様に叱られているかもしれません。
ハンバーガー外交の課題をまとめました。
- ジョー・バイデン大統領がハンバーガーを選んだわけ
- コロナ禍に夕食会が開かれない理由
- ハンバーガーというアメリカの食文化への理解
- バンズ(パン)、パテ(牛肉)生産加工者と料理人への尊敬
- 飲食の源となる命への感謝
- 食事を共にするという飲食の意義
鳩山家が歴史の表舞台に出てくるのは、明治維新、鳩山由紀夫の曾祖父の代から。
渋沢栄一とも日本倶楽部という当時の名士たちの社交クラブの設立に関わっています。
日本倶楽部ホームページ
鳩山由紀夫さんにも菅首相にも「論語と算盤」を読み直し、私たちと一緒に人格を磨いていただきましょう。
「論語と算盤」から人格と修養を要約
人が動物と異なる点
道徳を身につけ、知恵を磨き、世の中のためになる貢献ができる点
人の真価とは、優劣の評価とは
社会のために尽くそうとした精神と効果によって行われる
「成功か失敗か」は二の次である。
「修養」には際限がない。
知識で頭でっかちになり、実情に合わせて現実に応用できなかれば意味がない。
現実と学問の調和
徳川家康の「論語と算盤」
コロナ禍で、飲食業界の勢力図も変化しています。
大量閉店と大幅赤字。
企業体が大きいほど数値も巨額です。
外食ランキング 東洋経済 記者 中尾謙介氏
https://toyokeizai.net/articles/-/423487
「論語と算盤」から、菅総理、鳩山元首相たちからも尊重される「食文化」を学びます。
徳川家康も論語を学んでいました。
徳川家康は、「天下が28に分かれている」という戦国時代を武力と儒学で国を平定します。
儒学とは、儒教。
孔子の教えです。
徳川家康の遺訓
「人の一生は重荷を負て遠き道を行くがごとし。急ぐべからず。
不自由を常と思へば不足なし。心に望みおこらば、困窮したる時を思ひ出すべし。
堪忍は無事長久の基。怒りは敵と思へ。
勝つ事ばかり知りて負くる事を知らざれば、害その身に到る。
おのれを責めて、人を責むるな。及ばざるは過ぎたるよりまされり」
出典 東照公御遺訓 (諸説あります)
人の一生は、重い荷物を背負って遠い道のりを行くようなもの。急ぐな。
不自由が当たり前だと思えば、足りないことはない。
心に欲しい気持ちが起きたら、苦しい時を思い出せ。
絶え忍ぶことが安らかで健康な時が長く続く基本。怒りは自分の敵。
勝つことばかりを知って、負けることを知らないのは害。自分を冒す。
自分を責めて、人を攻めるな。
足りないほうが、やり過ぎよりまし。
儒教を飲食店経営に当てはめてみます。
孔子の教え
修身斉家治国平天下 しゅうしんせいかちこくへいてんか
「国民一人一人が自分を修練し、家庭を整えて、国が治まり、天下が平和になる」
飲食店へ実用解釈
「自分を磨き、幸せな家庭を育み、店舗を治め、地域社会を豊かな住みよい住処にする」
儒教とは?駆け足解説
孔子の基本理念「五常」の徳目を守ることで「五倫」の人間関係がうまくいく。
「五常」とは、「仁・義・礼・智・信」
「仁」 お客様、従業員、取引先など人を愛し、気遣い、思いやる
「義」 利益や欲望ばかり追い求めず、社会のため人のために行動する
「礼」 身のほどをわきまえ、絶えずわが身をふりかえり、相手に敬意を払い接する
「智」 幅広い知識と知恵を実社会に活用して、道徳や常識をわきまえ、善悪を判断する。
「信」 人に誠実に裏切らず、信頼を積み重ね、信用を得る。
「五倫」とは、「父子・君臣・夫婦・長幼・朋友」の人間関係
デメリット
「江戸中期、理論と現実を融合させられない」ことがあった。
「頭でっかちの理論」がもてあそばれてしまった。
現実との調和が何よりも大事。
自分を磨くことは「自分らしさ」を損なうことではない。
古典「大学」
格物致知 [物の本質を掴んで理解する。]
思想家、王陽明
致良知
[心の素の正しさを発揮する]
自分磨きは、自分の心を正しくして、魂の輝きを解き放つこと
精神、知識と知恵、身体、行い全てを鍛錬する
青年も老人も全ての人々が行う
今日は、時間切れになってしまいました。
後日、整理加筆します。