店舗のコミュニティ放送局の役割
飲食店の放送局の情報発信の目的をまとめます。
店のビジョン、ミッション、コアバリューを具現化して、共有することです。
- ビジョン(vision) 実現を目指す、将来のありたい姿
- ミッション(mission) 企業が果たすべき使命であり、存在意義
- バリュー(value) 組織の共通の価値観
- 理想の姿、使命、価値観を明確にします。
- 言語化、映像化した情報をお客様と楽しみます。
- 発見、感動、お客様の心を動かすコンテンツを作ります。
商品カットになっているコンテンツは作り直しを
お店や商品の紹介が商品カットになっていませんか?
商品を客観的に伝えなければならない情報もあります。
不動産や馬の売買など商品取引に関わる情報は機能や形や質感などを画像や映像で確認しなければありません。
文章にするなら、仕様書のようなものです。
たいていは、引き込まれるほどの面白さは必要とされません。
商品カットを集めたようなコンテンツは、丁寧に作られている場合が多い。
上質なのでいいコンテンツだとお金を支払った側は思いたい。
プロの制作会社が作っている場合もあるでしょう。
映像制作会社が限られた時間と予算の中で、飲食店のビジョンまで潜ませた映像表現をするのは、なかなか難しい。
私がいた映像プロダクションには、電通、博報堂、東急エイジェンシー、アサツー・ディ・ケイさんなど多くのディレクターさんが入れ替わり立ち代り、CM制作にやってきました。
たくさんの映像制作の現場で気づいたのは、企業のビジョンまで予感させるコンテンツを作るディレクターはごくわずかだということ。
職人やアーティストの要素に加えて哲学者の要素も必要です。
表現事例
では、心を動かす映像コンテンツを観ていきます。
Hard Rock Cafe
おすすめの動画です。
https://www.facebook.com/watch/?v=296253615202016
ご覧ください。
たった1フレーズでこれだけの説得力。
感性。
この一言に付きます。
ハードロックカフェは、店自体がメディアになった代表例です。
コロナ下で閉店する店があるものの世界の主要都市に180店舗以上。
飲食におけるブランドビジネスの王様です。
お店を案内もドラマ仕立てに展開します。
動画情報も音声情報もあふれています。
面白くなければスルーされます。
ハードロックカフェのビジョンを確認しましょう。
ハードロックカフェの精神
- LOVE ALL – SERVE ALL すべての人に敬意をもって
- TAKE TIME TO BE KIND 人々に親切にする時間を持つ
- SAVE THE PLANET 地球を救う
- ALL IS ONE すべては一つ
まさに渋沢栄一が学び続けた論語、武士道の魂です。
150年以上も前に渋沢栄一が欧米で見つけた発見が今も脈々と息づいています。
店のビジョンが明確です。
Youtubeに上げられた多くの映像コンテンツが明確なビジョンを具現化しています。
ハードロックカフェという店舗は、店を超えた「集合知」になりました。
そして、多くの社会活動も実施しています。
- PINKTOBER 乳がんの早期発見、早期検診、早期治療を啓蒙するチャリティ活動。
- Imagine 飢餓や貧困から子供を救うチャリティ活動。
- Signatureアーティストや、その遺族から提供されたアートをプリントしたTシャツを制作販売し、その売上の一部をアーティストが指定する慈善団体に寄付する活動。
その他
・ビーチクリーンナップ
・チャリティライブやパーティーの開催
・災害などで被災された方への支援活動等
また、ハードロックカフェは、お客様と一緒に慈善活動に取り組んでいます。
出典 ハードロックジャパン HP
http://hardrockjapan.com/philanthropy/
店舗のコミュニティ放送局自身が店そのものを体現します。
見ているだけで行きたくなる。
見ているだけで仮想体験できる。
コンテンツを見ながらお酒を飲めるくらいのクオリティを目指します。
それは、面白いかどうかです。
デスクに向かっていても面白いアイディアは浮かびません。
同じ釜の飯を食っているメンバーといくら相談しても釜の中で煮詰まるだけです。
外へ飛び出しましょう。
何が面白いか。
答えは、お客様が持っています。
お客様との交流をメディア化する。
お店という空間を活用します。
オンラインではなくてオフラインで実施します。
そして、オンラインでもオンエアします。
早朝~営業前までの時間帯
- 接客英会話
- 街ランニング付き朝食会
- 映画鑑賞と感想会
- トレンド勉強会
- 様々な経営書を教本にして学ぶ読書会
- 接客英会話国際交流の講習交流会
- 試飲会
技能、知識講習会、交流会の実施
地域の食文化で活躍するリーダーを講師に招きます。
彼らの仕事への動機や仕事のやり方を肌で感じていただき実務へ生かしていただきます。
同時に参加者と講師のパイプを作り、参加者それぞれの人生の糧にしていただきます。
料理人、ソムリエ、醸造家、杜氏、畜産生産者ほか
では、終わりに放送コンテンツ制作と同時進行で進める営業企画プラン事例案を紹介します。
この新型コロナ感染対策として、ぜひ、参考にしてください。
ハードロックカフェの精神を渋沢栄一は、150年前に欧米で体感しました。
現代よりも、より純粋な形で武士道とハードロックカフェの精神の共通点を読み取れます。