人間関係を悪くするタイプに自分勝手があります。
みんなでやっていく方針を立てたのに自分勝手に行動する。
たとえば、あれ?いなくなったな思ったらキッチンの隅で煙草を吸っている。
全員で行動目標を決めたのに協力的じゃない。
やり方を変える。
自分勝手な行動の対策は
- 規律を作る。
- ビジョンを共有する。
- 信頼関係を作る。
- 「さん」付けの敬称に統一する。
仲良しグループで和気あいあいとお店を運営していきたいという理想を描きます。
責任者がオーナー料理長などの場合は可能です。
なぜなら、料理の世界には、「料理道」というほどの「武士道」魂が生きているからです。
伝統の技術を伝承し、医食同源に人の命をあずかる調理の仕事です。
ちゃん付けやニックネームで呼ぼうが厨房には、武士道が息づいている場合が多い。
規律も、料理店としてのビジョンも、師弟関係の信頼関係もすでにあるからです。
悪ければ、独裁店舗、上手くいけば、家族的経営です。
会社経営として運営している飲食店がパパママ店のいいとこどりをしようとしても難しい。
店長はママのように愛情豊かじゃないし、料理長はパパのように厳しい優しさがあるわけじゃないからです。
社員として働いている料理長や店長は
- スタッフ全員の法律を作る。
- 店のビジョンと今期の目標数値を共有する。
- 一人一人と信頼関係を築く。
- 役割として働いているのであって、仲良しこよしではないことを「さん」付けで日々認識する。
上記が大事です。
規律を守らない人がいたら
規律を守らないスタッフには、店長マネージャーが個別に面談します。
規律を守る約束なのは、わかっているはずです。
なぜ、自分勝手なな行動をとるのか、話し合います。
- 店に休憩時間が無いから、自分で休憩時間をつくっていた。
- 煙草がきれるとイライラする。
- 自分は、個人売上のノルマを達成している、何をやっても自由だ。
- 自分のやり方の方が作業効率も良くて理にかなっている。
面談で聞き出した自分勝手な原因がわかったら、改善します。
- 店や会社側の改善
- 常識的な観点からの人間としての改善
*「論語と算盤」の常識とは何かを別項目で詳しく解説しています。 - 本人の人生設計の確認
- *売上を上げるいちプレーヤーとして一生やっていくのか、管理職になって給与を上げていきたいのかなど。
解決しきらないこともあるでしょう。
気にせず、次へ進めます。
本人に寄り添い、1歩でも前進することが信頼関係作りです。
結果がついてくれば、マネージャーは信頼されていきます。
個人の未来を予測する
人それぞれにビジョンがあります。
と、言いたいところですが、毎日をなんとなくすごしている場合が多い。
特に若い頃は恋をしたり、仲間と騒いだり楽しい誘惑が多い青春時代です。
「私はどうやって生きていこうか」なんて、人は、よほど切羽詰まった状況や青年実業家くらいです。
つまり、店のビジョンを策定しても個人の理想像がないと実行するのが難しい。
個人の将来設計や人生哲学のような志が無いと店のビジョンにも乗りづらいのです。
そこで、全スタッフと個人面談します。
そして、個人の未来を予測していただきます。
第一ステップ
- 30代、40代、50代、60代、70代、老後の未来
- 10年後の未来
- 1年語の未来
文章に書き出しても、絵に描いてもいい。
描き出すと、今の決定が老後の未来への方向性を決めることに気づきます。
映画監督になったつもりでできるだけ詳しく描き出してもらいます。
個人の未来予測をする際に注意点があります。
そんなの無理だよなどの批判は厳禁です。
こちらから、じゃあ、この勉強をしたほうがいいねなどの指導は厳禁です。
店の未来が個人の未来を応援することはあっても、夢をじゃましたり、修正させたりすることはないことを理解してもらうののが大事です。
個人の未来予測で最も大事なことは「本人の気づき」です。
人間は自分が気づかない限り変化しようと思いません。
いくら人が言っても自分の中に動機が生まれないと重い腰を上げないのです。
第2ステップ
仮名)山田太郎の未来予測
- 10年後の近未来
- 人格
- 家族
- 年収
- 住んでいる場所
- 住まいの外装、内装
- 車や別荘などの資産
第3ステップ
今期のプライベートな個人目標を策定
本人のみの決意です開示しません。
以上が個人のビジョンを言語化する個人未来予測です。
店を辞めることが目標になっていることもあります。
店として、会社として、それだけ魅力が無いわけですから、反省して、魅力的な店にするしかありません。
第4ステップ
次に、店のビジョンの策定です。
*細かい注意点は別項で解説しています。
店舗ビジョン策定計画
店舗ビジョンの原案を提示
- ビジョン策定の目的
- 店舗理念(店の存在意義)
- 店舗ビジョン(理想の姿を言語化、ドラマのワンシーンのようにビジュアル化)
- 店舗の使命(どのような事を実現していくのか)
- 行動目標(具体的な行動を言語化)
- 年間の売上目標、利益率目標
- 半期の売上、利益率目標
- 来月の売上、利益率目標
第5ステップ
上記の店舗ビジョンに個人がどのような貢献を目指すのかを決めます。
店作りに自分が何をやっていくのかという役割分担でもあります。
店のビジョンと売上目標を達成する個人目標
- 売上貢献について
- サービスについて
- 組織作りについて
- 商品開発について
- 販売促進について
信頼関係づくり
ここまで来れば、信頼関係の土台ができました。
あとは、行動あるのみです。
「さん」付けに敬称を統一する。
ある飲食店の事例です。
全員を「さん」付けで呼ぶことに決まりました。
目上も年下も性別関係なく「さん」づけで呼びます。
さんづけは、社長命令で決まりました。
約年商8億で「さん」付けの敬称を統一して、今は年商35億を超えています。
個人の年収を上げていくには、売上と利益を上げていくしかありません。
企業の未来もスタート地点で決まります。
ニックネームや敬称を付けづに呼び合う店があります。
人間関係が上手く行ってる時はアットホームな家族的な雰囲気に溢れます。
ところがひとたび人間関係が悪くなると、呼び捨てです。
ニックネームにも侮蔑の感情がこもります。
サービス業は働いているメンバーの縦横のネットワークがお客様の価値に直結します。
例えば、ピークタイムにアルバイトスタッフがお客様の会話から、今日が誕生日だということを聴きつけたとします。
誕生日のお客様にはサプライズでケーキをお出しして、みんなでバースディソング歌うことになっています。
お客様を喜ばせる誕生日の情報を店長と料理長にどれだけスピーディ届けられるかが勝負になります。
情報伝達が遅ければ、お客様は帰ってしまいます。
人間関係が悪いと情報伝達にも影響します。
そんな些細な人間関係のトラブルをもぐら叩きのように解決しているうちに優良企業は、改善を繰り返し、さらに優良になります。
優良企業により優秀な人材が集まります。
給与や福利厚生を充実できない店は人手不足で苦労します。
出発点は、個人の具体的なビジョンと店の具体的なビジョンです。