飲食店の人間関係「論語と算盤」武士道に学ぶ 飲食店Public Relations講座

人間関係のトラブルは共有価値を作ってからはじめる

  1. トラブルの矛をひとまず収めてもらう
  2. 今置かれている市場環境を再認識させる
  3. 店の経営状況を自分ごととして実感させる
  4. 今すぐにでも始めなければならないことを書き出す
  5. 計画にまとめて計画の目的を共有する
  6. 目的を達成するために具体的に人間関係を改善する
  7. 人間関係のトラブルを本人たちが自ら解決していかなければ、どの職場にいっても同じことが繰り返されることを本人たちに認識させた上で自己反省と改善策を立てる

重要ポイント

  • 最初に当事者が共有できる「目的」や「目標」を明確にする。
  • 順番を変えてはいけない。
  • 二人の人間関係のトラブルを解決するのは、どちらが正しいとか間違っているとかをあばくためではない。
  • 個人的なトラブルも計画の目的を達成して、私たち全員が幸せになるためである。

1.人間関係のトラブルにはどちらにも言い分がある。
それぞれ、最もなところもある。
話すだけ話して、聴いてももらうと、本人たちも少しは気が晴れる。
なんとなくすっきりして解決した気になりうやむやになりかねない。

これを一番最初にやってはいけない。

順番が違う。
本人が反省して、具体的に改善しようという姿勢にならなければ、繰り返し、もぐらたたきに終始することになる。

長年の習慣が作った人の性格は変わりづらい。
当事者が頭にきてムカムカしてても、まずは、問題を脇へ置いてもらう。

2.最初にやるのは、私たちが置かれている市場の状況分析。
今、いがみ合ってる時か?
新型コロナの感染症対策で感染源になりうる飲食店がいらないと言われている。
店は赤字。
そんな時にケンカをしている。
私たちの給料は、これまでの会社の貯金か、公的資金か、金融機関の融資から支払われている。
いってみれば、生活保護で暮らしているようなものだ。
給料や仕事が無くなるかもしれないという時に極端な話、どっちが悪くて、正しくたってどっちだっていい。
今は、どっちが正しいとかの話をしている時なのか?

3.私たち自身がすぐにでも取り掛からなければならないことを考えてもらう。
では、今は何をする時だろう?
お客様の安全を確保する。
今まで以上に清潔で安全な店の状態を保つ。
売上を上げる。
利益をねん出する。
できることは山ほどある。
時間は、うちも競合も同じ時間しか持っていない。
店の存在意義を高める時間とケンカ、どっちをやるのか?

4.店の将来を優先するなら、計画にまとめて実行しよう。
期日は?担当者は?何を?量は?

5.世界中の人たちがコロナと戦っている。
リーダーが舵取りを間違えれば、国を亡ぼすことにもなりかねない。
米国では人種差別が激しくなり、国が分断してしまった。
この店でも分断が起ころうとしているのか。

6.店の方針が決まったところで、お互いがけんかを思い出してムカムカし始める。
店の事を優先するのはわかったが二人の問題が解決していない。
話は、ここでやっと振出しに戻る。

計画をより早くスムーズに目的を達成するために二人の問題を解決する。
この、「目的を達成する」という共通認識を持つことが大前提。
手助けはできるが二人の問題を解決できるのは私じゃなくてあなたたちだという出発点に立ってもらう。

具体的な人間関係改善策

  1. お互いの言い分を洗い出す→書き出す
  2. 考えられる原因を洗い出す→書き出す
  3. 改善策を本人含めて書き出す
  4. 期間を定めて本人が行動目標を立てる

世界的な逆境の中。
ケンカを続けるような人間が他の職場で求められるとは思えない。
誰もトラブルメーカーを採用したいとは思わない。
運良く採用されたとしても賢い会社なら、同じトラブルが起きれば辞めてほしいと思う。
そして、うち以下のもっとごたごたした人間が集まる会社に行くことになる。


今回は、私たち自身も店も善くなるチャンスをもらったと考えてほしい。

このトラブルは、自然的に発生した天変地異のような災害か?
そうではない、人間が起こした問題だ。
つまり、二人が起こしている。
見過ごしていた店の全員が加害者でもある。
お互いが謙虚に自分を反省する。
そして、行動目標に落とし込む。

人間関係を善くする共通価値→常識

人間関係のいざこざのもとをたどるとささいなコミュニケーションの行き違いが重なっていたりする。

原因の多くは、常識が欠けているところから起きる。
常識を「論語と算盤」は、
智恵と愛情と意志「智、情、意」の三つがバランスよく成長した能力と説く。

  • 知識を生かす智恵
  • 他人を思いやる愛情
  • 事を成そうという意志。

常識の完成形が渋沢先生の言う「武士道」
知情意に大和魂が宿って「武士道」になる。

武士道は、「正義」「廉直」「義侠」「敢為」「礼儀」。
これらが欠けたのが江戸時代で言えば、仇討ちにまで発展した忠臣蔵。

  • あいさつ。
  • 返事。
  • 人の話を聴く。
  • 報告、連絡、相談をする。
  • メモを取って、2度3度と聴き直さないよう心がけるなど

日常業務はすべて武士道に合致する。

人間関係がスムースな人はこれがうまい。

武士道の正義、廉直、義侠、敢為、礼儀とは

  • 正義 周りが彼には曲がったところがない公平だと認める
  • 廉直 心が子供みたいに純真だと好かれる
  • 義侠 弱いものを助ける義侠心があると感心する
  • 敢為 強い意志で邁進していると感服する
  • 礼儀 礼儀と譲り合いの精神があって年長者の友人が多い

そんな「武士道精神」あふれる営業マンがいた。
友人になってわかったことは、彼は幼少の頃より、空手道をたしなむ黒帯の実力者。
道場の師匠は、言い訳や理屈や弱音をピシャリと断ち切る。
押忍!の一言で師匠の言葉を納得できなくても鵜吞みにする。
形を会得して、初めて師匠の教えが腑に落ちる。
礼儀を重んじ、真っすぐな心で己に向き合う。
昇段を目標にコツコツ道場に通い稽古する。
彼は、空手道で「武士道」を会得した男だった。

新人に「武士道」教育がおすすめ

渋沢先生なら、新入社員の初期段階でこの常識、道徳。
「武士道」の教育をすすめる。
何も竹刀や道着を着せて鍛錬するということではない。
職場における常識を実際の事例を元に考えさせ、一通り身につかせる座学とシミュレーションだ。

渋沢が興した今や一流企業は、小冊子や映像コンテンツで一般常識の講習を行う。
一流の人材に育てるためだ。
さらに優良な企業は新入社員の時から経営者と同じ目線で業務の考え方を教える。

特に営業が主力となる会社では、常識で会社の格さえ品定めされてしまう。

王様のコート外交

例えば、初めてお会いするお客様の社長室。
社長室でコートを着たまま挨拶をする新人がいたとする。
親なら、コートぐらい脱ぎなさいとたしなめるところだ。
本人は、失礼にあたるという意識がみじんもない。
だって、まだ、体が寒いんだから、わかるでしょ?

相手が王様だったらどうだろう。
平服の王様が暖かいお部屋で迎えてくれた。

礼をわきまえるなら、生涯一番の笑顔でコートを脱ぎ、自分が最も美しく見える状態で、友達になろうとするだろう。

逆に友達になりたくなければ、逆のことをすればいい。
コートを脱がない、たったそれだけの振る舞いで嫌ってくれるかもしれない。
礼儀の欠如が相手に思ってもいない意思表示をすることになる。

常識とは相手の常識を創造する力

相手の常識と自分の常識にはギャップがある。
ギャップに気づかないのは想像力が足りない。
貧しい文化の野蛮人と評価されかねない。

「論語」の主人公である孔子は平民の出身と言われる。
王様や貴族に負けない礼儀作法を身につけたから、諸国の王様も礼で応えた。
生まれながらの貴族たちが孔子の豊かに生き抜く常識を学ぼうとした。

同じ地域で、価値観も似ていた時代は常識は、一つでした。
これからは、世界各国から、労働者、お客様、留学生いろいろな立場の人がやって来る。
今まで以上に相手の常識を推し量る想像力が重要になる。
相手の文化を理解する、想像力を備えた常識が役立つ。

Google、アマゾン、Facebookなどの第4次産業の革命者たちが常識革命もすすめている。
シェアカルチャーや無国籍性、人間性の回復。
コロナがさらに生活様式の新たな常識を生み出している。


常識の根底にあるの「武士道」。
武士道を追求する限り、相手の常識を推し量る想像力が枯渇することはない。

孔子の常識

「論語と算盤」で渋沢先生が大切だとする常識は、今ある常識とは少し違う。
時空を超える本質的な「常識」だ。

孔子は、2000年以上も前の人類の智恵を私たちに伝えている。
弟子の子貢たちが孔子の言動をもとにまとめた「論語」。
論語は、欧米の常識や道徳の根本になっているキリスト教「聖書」に並ぶベストセラーだ。

渋沢先生は、孔子の論語を「武士道」に見出し、日本人にわかりやすく教示している。

武士道というと外国を受け入れない鎖国派かのように誤解されることを渋沢先生は心配している。
その上で、武士道とは「実業道」と言い換えてもいいと断言している。
事業の道こそ武士道そのものだと。
「武士道の精神」を持って、諸外国からも尊敬される存在になれると。
士魂商才。
武士の大和魂と商売の才能。
古びない。

文化の異なる人々をまとめる

人によって、人間関係のトラブルの解決方は異なる。
子供のケンカのように「仲直りしなさい、さあ、握手して」と丁寧に解決していく人もいる。
そうして、いつか、もぐらたたき状態になる。

根元から見直さなければ、他社との差は広がるばかりだ。
根元は、同じ船に乗った店のメンバー全員がどこに向かうかを決めること。

目的地が共通の価値になる。

行く先を見失った船の乗組員たちは乱れる。
さ迷う航海でコロンブスも命を狙われた。

ヒットラー、トランプ、韓国の文氏。
みんなの共有価値を設定する手法は、多くの政治家が活用してきた。
悪用厳禁。

多国籍国家アメリカやUK、EUの政治手法を人をまとめる観点でも観る。
あらゆる事象から学ぶのが孔子流で、渋沢栄一流だ。

投稿者: GrowthSpirits

PRSJ認定PRプランナーのグッチです。 映像制作→広告宣伝→イベント企画→飲食事業の営業企画→放送原稿執筆→レストラン経営→飲食テナントビルとホテルの情報企画→東京、名古屋の飲食店へ放浪→そして、北海道。 冒険は感性磨き。 gucciは私が坊やの頃、山本敏さんが命名してくださいました。 感謝を込めて。

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