飲食店が放送局を開設
個人が情報発信手段、メディアを手にしました。
しかも、双方向という機能を持ち、費用もわずかです。
というわけで、結論です。
飲食店は、podcastラジオもしくはYoutubeの放送局を作りましょう。
上記は放送局の事例です。
放送局開局の目的
- 独自カルチャーを醸成する。
(お客様と店舗が共有する価値づくり) - 既存のお客様と新しいコミュニケーションを育てる。
- これからお客様にしたい潜在顧客と出会い交流する。
放送局の目標
- 店のブランディング(共有価値)
- スタッフから地元スター誕生
- 飲食文化の付加価値づくり
マスメディアはオワコンか?
マスメディアは、新聞社、ラジオ局、テレビ局、雑誌社、出版社など全てのメディアを統合して巨大な「集合知」(集団的知性)を育ててきました。
マスメディアを中心にした「情報」は、今も企業にとって「人」「モノ」「金」に並ぶ第4の経営資源です。
朝日新聞の誤報が取りだたされ、マスメディアは嘘つきで、世論をコントロールしていると騒ぎ立てますがそもそも真実とは何か?
歴史を紐解くと事実が勝者によって、書き換えられてきたことにも気づきます。
とは言うものの、見てきたわけではない。
事実は誰にもわからない。
そもそも、新聞報道を鵜呑みにしてきた私たちにも罪があります。
人間が取材してくる情報です。
誤報を掴ませようとする悪人もいますし、聴き間違えたり、主観が解釈を逆にしてしまったりすることもあるでしょう。
巨大メディアに自助努力を促した点では、インターネットの情報は、重要度を増しています。
けれど、残念ながら、インターネットにも真偽を含めた情報が飛び交っています。
特に投資が儲かると扇動するかのネットCMはバブル期の不動産ブームを思い出させ、不安になります。
マスメディアに限らず、メディアに道徳が無いと、視聴者の欲望のまま走っていきます。
「自己修正」能力がある限りは、まだまだ、マスメディアの力は、揺るがないと思っています。
というのも学生時代、私はNHK報道局でアルバイトをしていました。
NHKには第一次情報を取れるホットラインがあり、報道マスメディアの中心として機能しています。
ある日、民間の航空機がロシアの戦闘機に誤って、撃ち落された速報が入りました。
局内は、日本を代表している窓口であるかのように緊迫しました。
刻々と犠牲者の名前が入電されます。
まだ、ニュース原稿にもなっていない生情報です。
私たちは、遺族の方たちが自分の親御さんやお子さんの名前を見つけた瞬間を想像しました。
デスクたちは、泊まり込みで特設本部に詰めていました。
アルバイトの私たちも24時間の交代制の中で報道局に詰めていました。
カメラマンという技術職の一人をとっても、表現を高めようとする意欲は半端ありません。
私の知る映像カメラマンは、1人、真夜中の街頭に出て、カメラワークの練習します。
向こうから走ってくる車を通り過ぎて、走り去るまで、カメラをパンして、手動のピントとアイリスを合わせて追います。
一般の生活者はオートフォーカスで十分満足していますが、テレビカメラマンはどこにピントを合わせるかで視聴者に伝える意味が違ってくることを知っています。
波打ち際で、波頭にピントを合わせるのか、砕けていく泡にピントを合わせるのかにこだわります。
彼らは、夜を明かしてでも、表現について語り合えます。
報道の第一線で戦う記者、カメラマン、デスクたちの人生をかけた思いにインターネットの発信者たちが勝てるかというと、まだ、志も情熱も気力も技術も足りないと思っています。
飲食店の放送局は「第5の経営資源」
自店舗の放送局は「人」「モノ」「金」「情報」を統合する第5の経営資源になります。
マスメディアが育てた「集合知」をローカルに加工することもできますし、カウンターカルチャーとしての「集合知」を育てることもできます。
「モータウン」レコードは、米国ミシガン州デトロイトの一軒家から始まっています。
育てたスターは、ダイアナロス、スティーヴィ―ワンダー、マーヴィンゲイ,マイケルジャクソン。
カウンターカルチャーでありながら世界のメインストリームとなった好例です。
インターネット放送局は、手段であって到着点ではない。
大事なのは、放送局を運営して何を成し遂げるかです。
マスメディと→個人が手にしたメディア
店舗の放送局を起ち上げたなら個人メディアを統合します。
お手本はマスメディの展開手法です。
- 雑誌→特集ブログ
- 新聞→毎日更新するブログやメルマガ
- ラジオ→ポッドキャスト配信やMIXcloud等の配信システム
- テレビ→ユーチューブ
- 手紙→メール
これからは、ブログ、メルマガ、音声配信、映像配信、メールを統合して、最大限に活用していける企業が善くも悪くも伸びるでしょう。
善くも悪くもというのは、伸びる企業が私たちを幸せにできるかは未知数だから。
それだけに、「私たちはあなたを幸せにします」という主張ばかりではなく、実績を積み重ね、お客様とコミュニケーションにより信頼関係を築いていくことが大事です。
人を魅きつけ続ける独自文化が必要になります。
独自文化熟成に今のところ成功している企業一例
- ルイ・ヴィトン 人生という旅を上質で濃密な経験に
- スターバックス 自己発見と創造のため人と人の繋がりを生む
- ユニクロ 服のチカラを、社会のチカラに
自店放送局の視聴者や読者は、自店の顧客です。
マスコミのように不特定多数向けの情報加工ではなく、自社のお客様とこれからお客様になるであろうという潜在顧客向けに情報を加工発信します。
商品はメーカーにとっては、大勢の消費者へ販売するたくさんの物や事ですが一人一人の顧客にとっては、たった一つの商品です。
お客様にちっては、たった一つ選んだメーカーや販売員やサービス提供者だったりします。
これまでは、営業パーソンが信頼関係を築いてきました。
大量生産する大きな企業の窓口と小さな一人の消費者の間を取り持ち、人間関係を築いてきました。
しかし、今は、営業パーソンを介さないで直接購入する関係が増えています。
企業は、営業パーソンがしていた苦労を何かで代替えしなければなりません。
商品とお客様の間にある価値、信頼関係を今のお客様の生活スタイルにとけこむ形で提供する必要があります。
自社放送局が独立して、個別に走ってはただの遊びです。
現場(飲食店)と一体となってお客様とコミュニケーションを図っていく事がマスメディアにはできない芸当です。
自社放送局の具体的な取り組みの方針
- お客様とのパーソナルな関係を育成
- 大勢のお客様の意識を放送局に集約する
- 生態系のような「集合知」を作りだし共有価値を育てる
昭和のように営業パーソンが家や勤務先に訪ねてきたのではウザいと思う購入者も増えています。
そこを逆手にとって逆張り、という話は、また、改めてするとして、今回は、人が介在しなくなった現代の販売になくてはならない取り組みを「放送局開設」という形で提案しました。
飲食店ほどメディアの条件を兼ね備えた装置はありません。
これまでも飲食店は、「歴史は夜作られる」と言われるように政治や商取引の実質上の実効性のある舞台になってきました。
飲食店がメディアになった歴史
サロン文化
17世紀末、フランスの貴族たちの社交場。パリのサロンが芸術文化の発信地に。
パブ
19世紀、英国。パブリック・ハウスpublic house公共の家が発祥。町の社交場から始まった。
https://ja.wikipedia.org/wiki/パブ
スピーク・イージーズ
アメリカ合衆国で禁酒法時代1920年~1933年頃の無許可バー。人種が差別が無かったり、ミュージシャンのライブが取り入れられたり、独自性を競った。
https://ja.wikipedia.org/wiki/スピークイージー
カフェ・ド・フロール カフェソサイエティ
1887年創業。哲学者の交流の場から、映画、モード界のスターたちが集まるカフェに。
芸術と文化の拠点。
https://ja.wikipedia.org/wiki/カフェ・ド・フロール
Studio 54 クラブカルチャー
1970〜80年代ニューヨークのナイトクラブ。アーティスト、ミュージシャン、ファッションデザイナーら多くのVIPたちが通った。当時のカウンターカルチャーの一つ。
Let’s DANCE! セレブと伝説の「Studio 54」Vogue Japan
https://www.vogue.co.jp/celebrity/stylewatch/2018-12-25
Studio 54 The Documentary – Official Trailer予告編動画
人間は、自分の眼で見て、聴いて、握手して、抱擁しあい、膝突き合わせて、初めて腑に落ちるほどに納得します。
バーチャルな商取引が増えれば増えるほど、実際に会って、5感でお互いを確かめ合う機会が貴重な体験になっていきます。
それは、だから、五感を確かめられる商取引に戻りましょうという話ではありません。
パーソナル・メディアを統合して、体温のある、体重を感じるコミュニケーションを築いていきましょうという提案です。
飲食店は、料理を売る、飲物を売る、生演奏を売る、お客さんを踊らせるなどルーティン化した販売の習慣から一度離脱して空から自店を眺めましょう。
私たちが売るべき最も大切な軸が何かを注意深く掘り下げましょう。
飲食店が売る軸
- 人と人のコミュニケーション
- コミュニケーションを盛り上げる商品
- 人、料理、飲物、音楽、温度、照度など全ての要素を統括した店そのもの
- 他店にはない独自文化
他にもいろいろあるかと思います。
飲食店はメディアではないという意見は、いったん置いて、マスコミは飲食店ではないでしょうか?
外出自粛が続いて、テレビやテレビ番組の録画やアーカイブ、Youtubeの前で、家飲みもなかなか楽しい。
オンライン飲み会もありです。
テレビは飲食店では、ありませんがテイクアウトやコンビニのお惣菜でモニター画面の前が飲食店になってしまいました。
飲食店は、確かにメディアではないですが、情報交換や笑いや驚きのバラエティ性があったり、テレビ以上に早くて新鮮なニュースを掴めたりします。
なんだ、飲食店にメディア性があることなら、昔から知ってるよという声が聴こえてきそうです。
今回の提案は飲食店がメディアそのものになるということです。
飲食店と媒体は別なもの。
混同してしまうと店が宣伝マンやテレビマンのようになってしまうという心配も。
武士は、食わねど高楊枝と武士は商業活動を見下しました。
稼ぐことはいやしいことだという士農工商の江戸時代の階級社会の因襲です。
ヨーロッパでは、王様も自国の産業をアピールします。
稼ぐことは、社会貢献に繋がります。
ビートルズも、エルトン・ジョンもベッカムもエリザベス女王に叙勲されました。
正しく稼ぐ人を国を上げて宣伝します。
宣伝マンという言葉にも誤解があります。
一方的に言葉巧みに押し売りするというウザい奴という側面が強調されて。
これから求められる宣伝マンは、PRパーソンです。
PR、パブリックリレーションズとは、お客様と商品との集合知を作ること。
お互いにとって利益がある価値を認識して、お客様ばかりか取引先や株主などのステークホルダーに共有していただく事がPRパーソンの仕事です。
スタッフ全員がPRパーソンになれた店は強い。
自店の価値の真価を理解していなければ、お客様と真の信頼関係を築くことはできないし、一方的なセールスでは、集合知となる価値を作ることができません。
PRパーソンその人自身がメディアです。
情報双方向メディア型飲食店
飲食店がカウンタカルチャーの中心となって世の中を面白くしていく。
商品を流行らせる市場のリーダーシップを執る。
放送局「Station」を開局しましょう!
拠点となるサイトの一例です
Voicy
https://form.run/@info-individual/
Mixcloud live
プロパガンダ(政治誘導)の側面もあるマスメディア。
私たちが手にしたパーソナルメディアも世界を善くも悪くも変える力を持っています。
世界を善い方向に動かすには、高い倫理観が必要です。
明治維新の実業家、渋沢栄一語録
「論語と算盤」は、倫理観と稼ぐ力の両輪が社会を実質的に豊かにすると説きます。
どちらが欠けても永続的に発展できないことは、古今東西の歴史が証明しています。
既得権益を守るがために国民をないがしろにし、自ら滅んでいった国家。
国民の福祉ばかりを厚くして財政破綻していった国など
歴史検証は学者に任せるとして、私たちは、成功者たちの哲学を学び、学びながら走りましょう。
コロナ下における施策方針
Stationを軸にした展開は次回に
予告編
- 飲食店はメディアに!
- 完全予約制入店を定員制に!
- 代替えのきかない独自文化を醸成!
- ユーモアをもって!
確固とした方針を打ち出すことが御社の独自文化をつたえることになります。