新人の皆さん、おめでとうございます。
そして、この春、バイトを卒業して新社会人になった
加藤くん、おめでとうございます。
これから始まるたくさんの試練や挑戦に挑むために
一人の事業家の成功者哲学を紹介します。
もう、仕事をさぼって、お喋りもできないからね。
さて、その男は、今、NHK大河「青天を衝く」に描かれる
渋沢栄一。
四六時中、日本の未来ばかり考えていた男です。
起業するカンパニーの仲間たちが立身出世する姿が自分の夢に重なった熱い奴です。
日本の未来を創る若者たちを愛してやまない思いが
渋沢栄一の成功哲学「論語と算盤」にあふれています。
彼は、大きく8度、人生に挑戦しています。
国内には、旧幕府派と明治新政府の薩長派閥の武士たち。
私の祖先の金沢でも藩が二つに割れ、幕府を支持していた派閥は北海道八雲町とブラジルへ逃れたと聞いています。
腹をきるきらないの天下分け目の派閥争いの時代です。
海外には日本の利権をめぐるアメリカ、フランス、イギリスなどの西洋社会。
アヘン戦争で西洋列強の食い物になった中国国民の荒廃した姿を自分の目で見ただけに渋沢の思いは必死でした。
健康保険も失業保険もハローワークもない時代です。
彼は、埼玉→東京→京都→東京→パリ→欧州各地→静岡→東京→全国各地→世界各国と活躍の場所を広げました。
幕末から明治維新は、農民が兵士として駆り出され
武士がちょんまげを切り、無職となり
古い価値と明日もわからない未来が
ごちゃまぜに走るしかない時代でした。
今という時代がどこか似ているのは言い過ぎでしょうか?
国力は、中国に抜かれ、IT技術は、ビッグデーターを活用しやすい中国が米国をのり超えて行くと言われています。
海外からは、優秀な若者が日本のシステムや技術を学びに渡来します。
物価の高い日本へ来れるのは、将来その国の中枢に入る王家の血筋の子息だったりします。
日比谷の帝国ホテルあたりのレストランには、上質なスーツを着こなし、流ちょうな日本語を話す印度のビジネスマンがパワーランチにやってきます。
地方都市にいると見えない社会の変化が東京のビジネス街で毎日進行しています。
自由競争が基本の日本の市場は、世界中のプレイヤーたちの戦場でもあります。
一方、コロナ危機を千載一遇のチャンスと挑む事業家たちもいます。
しかも、最も被害甚大といわれるサービス業という戦場においても。
アパホテルグループ代表、元谷 外志雄氏
ハイディ日高会長 神田正氏など
実績のある新興企業ばかりではなく、日本の若者も東京を通り越して、シリコンバレー、シアトルに飛んでいます。
渋沢栄一の覚悟
- 自分にはどうしようもない逆境を天命と受け入れる
- 人が作った逆境は自分が招いた逆境と反省して修正する
- 勉強し鍛え運命を自ら呼び寄せる
- 「世の人は我を何とも言はば言え
我が成す事は我のみぞ知る」
書簡集『坂本龍馬からの手紙』宮川禎一編 より
(坂本龍馬と渋沢栄一は北辰一刀流・千葉道場系の兄弟弟子)
「論語」の語り人、孔子は、中国各地の古い王朝の文献を求め、荒野を旅しました。
放浪は、時に国の政治の中枢に入り込み、王様や貴族たちの権謀術策に苦悩し、考え抜き、行動して、命懸けで自らの運命と弟子たちと国民の未来を現実にしていきました。
孔子の弟子たちは3000人と言われます。
孔子が亡くなると弟子たちが墓を守り3年も喪に服しました。
親は3年子供を抱いて育てたのだから、子は親の死を3年間悼むのだという孔子の形式的な教えばかりがそうさせたのではないでしょう。
孔子の弟子の一人、外交と商売の才能に長けていた子貢は
6年間喪に服し、墓を守っています。
師との思い出が残る土地を離れるのが悲しくて悲しくて、寂しくて離れ難かった。
渋沢栄一もまた。時代を超えて孔子に惹かれ続けました。
私たちは、死んでもなお、孔子ほどに愛される人間関係を紡いでいるか。
死んだ孔子が生きている私たちに挑戦状を叩きつけているようにも思います。
残念ながら、そこまで真剣に生きていない。
親とさえ、そこまで真剣に向きあっているのか。
2500年以上たった今も生き続ける論語。
渋沢栄一の「論語と算盤」で再び光を浴びています。
NHK大河ドラマ「青天を衝け」のプロデューサーも
新紙幣1万円札を渋沢栄一にする日本政府も
「論語と算盤」に未来の光を感じています。
日本ばかりではない、「論語」発祥の中国政府もまた、行き過ぎた拝金主義を是正しようと文化大革命で害書と焼き払った「論語」を推奨し始めました。
「経営の神様」と呼ばれた社会生態学者も生前、渋沢栄一を熱くフォーローしています。
当時、「岩崎弥太郎と渋沢栄一の名は、国外では、わずかの
日本研究家が知るだけである。
しかしながら彼らの偉業は、ロスチャイルド、モルガン、クルップ、ロックフェラーを凌ぐ」
『断絶の時代』ピーター・ドラッカー著 上田惇生訳より
私もまた、権力者や既得権益者にとって都合の良い理屈ばかりじゃない、「論語」を渋沢栄一という「実業の父」の心を通して、読み始めています。
政府に見切りをつけ、実業界を作った渋沢栄一だからこそ言い得た言葉がつまっています。
- 共感できる仲間たちと一度きり命をより豊かに生きる。
- 知恵を事業や毎日の生活に生かしていく。
- 未来を変える挑戦を始める。
- 知恵を具体的な行動に成果に結びつける。
「論語と算盤」を紐解き、行動し始めましょう。
あなたの組織や街に会員クラブを起ち上げる。
志ある仲間と勉強会を開く。
好きな趣味やスポーツのサークルを自分たちで作る。
何かを待っている受け身の生き方に終止符です。
長い休暇にはまだまだ早い。
ロングバケーションのその前に行動して私たち自身の運命を切り開きましょう。
志のある仲間がいつか、お互いに交流できる時機が来たら
素敵です。
共に学んでいきましょう。
渋沢は、人のために尽くし、人々が幸せになる姿が嬉しくてたまらなかった。
言葉の一つ一つが未来の私たちへの遺言です。
次回は、「論語と算盤」哲学を順に実用要約します。